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エンジニア御用達?老舗プラグインメーカー「McDSP」


プラグインの元祖

現代では音楽制作に欠かせない存在とも言えるエフェクトプラグイン。

今でこそ様々なユーザーがいるとともに数多くのメーカーがありますが、ソフトウェアとしての起源をご存知でしょうか?

実は、Waves「Q10 Equalizer」やMcDSP「Compressor Bank」「Filter Bank」が元祖のプラグインと言われており、ハードウェアを買い揃えなくてもエフェクトが使用できる利便性は世界に衝撃を与えたそうです。

そして、昔は多くのプロエンジニアのスタジオにおいて、Protoolsを導入するとともにWavesとMcDSPを揃えるのが定番だったとか...

今回はそんな老舗2大プラグインメーカーのうち「McDSP」について勉強してきました!

McDSPってどんなメーカー?

1998年にProtoolsの開発メンバーでもあるコリン・マクドウェル氏(”McDSP”という社名の由来でもありますね!)が設立した会社。

理系的な考え方で音声処理に取り組むエンジニア気質な方だそうです。

そんな彼の会社が開発したソフトウェアは、「処理性能の高さ」「Protools専用プラグイン」という観点から当時のエンジニアからこよなく愛され、「エンジニア御用達」のメーカーとなりました。

※McDSP HDおよびNativeプラグインは、Pro Tools、Logic Pro、Cubase、Nuendo、FL Studio、Ableton Live、LUNA、Reaper、Sonar、Studio One、その他AAX、AU、VST3プラグインフォーマットに対応したDAWで使用することが可能です。v7.0以降、VSTはサポートされなくなりましたのでご注意ください。VSTバージョンのv6 McDSPプラグインは、今後アップデートされず、アンインストールされます。

McDSPはここから始まった!2つの代表的プラグイン

1. "犠牲"の少ないコンプ「Compressor Bank」

Compressor Bank

- 選べる3種のコンプレッサー

Compressor Bankは101、202、303の3種類から選択して使用します。以下がそれぞれの違いです。

CB101: コンプレッサーの機能のみ
CB202: コンプレッサーにプリフィルターを追加
CB303: コンプレッサーにプリフィルター、ポストEQを追加

- つまみ一つでキャラクターが変化する「BITE」

Compressor Bankの最大の特長とも言えるのが「BITE」のつまみです。

一般的にコンプの処理が始まるタイミング、すなわちアタックは0msに設定していても厳密には約0.25msが最速値となっています。発音から約0.25ms間のコンプで処理ができない領域はトランジェントと呼ばれますが、「BITE」のつまみでトランジェントの処理の仕方を変化させることができます。トランジェントについての記事はこちら

これによりVCA、FET、Optなど通常では別々に使い分けるはずの複数のコンプレッサーを混ぜ合わせるような柔軟なコンプレッションが可能になります。

- 思い通りにコンプレッションをするための「プリフィルター」

プリフィルターは、コンプレッションをする前に入力信号にフィルターをかけます。

例えば、低域の音は聴感に比べて実際の音量レベルが明らかに大きくなるため、そのままコンプレッサーをかけると低域に反応してコンプレッションがかかりますよね。そうすると中域や高域の音を処理したい場合は思い通りの圧縮ができません。

そこでプリフィルターでローカットをしておけば、思い通りにコンプレッションができるということです。コンプレッサーの下準備はコンプレッサーとセットにしてしまおうという考え方ですね!

- 失われた帯域を取り戻す「ポストEQ」

ポストEQは、コンプレッションをした後の音に対してEQ処理を施します。

例えば、コンプレッションをした結果、意図せず高域が弱くなって鋭さがなくなってしまった...ということもあると思います。これはコンプレッションによる犠牲とも言えますよね。

そこで、プリフィルターと同様にコンプの弊害はコンプとセットで補正しようということです。

つまり、上の例においては「一貫して高域が足りなくなってしまった」と感じたらSTATIC EQを、「所々高域が潰れるところがある」と感じたらDYNAMIC EQを選択すると、コンプによって失われたニュアンスを取り戻せそうですね!

→McDSP「Compressor Bank」の購入はこちら

2. 自在にカーブを作るアナログEQ「Filter Bank」

Filter Bank

- 選べる3種のEQ

Filter BankはF202、E606、P606の3種類から選択して使用します。以下がそれぞれの違いです。

F202: ハイパス&ローパスの2バンドEQ
E606: アナログEQのような特殊なカーブをデザインできる6バンドEQ
P606: 6つのピーク、3つずつのハイシェルフとローシェルフを使い分ける6バンドEQ

- 単なるブーストやカットだけじゃない、アナログの特徴を再現

F202ではQを大きくすることによって、フィルタープラグインのレゾナンスのような効果を得ることができます。また、P606では下の図のように「DIP」の値を大きくすることでカット(もしくはブースト)する帯域とそれ以外の帯域との境界に逆の凹凸を付与することができます。これはアナログEQの特徴を再現していると言えますね。

F202

- どの帯域をどう処理する?リアルタイムでメーター表示!

Filter BankはつまみでEQ設定ができますが、グラフ上でのマウス操作でもEQのコントロールができます。また、RTA(周波数分布)のグラフがリアルタイムで表示されるため、わざわざ別のメーターを立ち上げる必要がありません。EQのプラグイン上で「どの帯域がどれくらいの音量か」を確認できると作業がスムーズで便利ですよね!

→McDSP「Filter Bank」の購入はこちら

まとめ

今回はMcDSPというメーカーと代表的なプラグインを紹介しました。

McDSPはミックスの要とも言えるコンプレッサーとEQについて初期から改良を重ねて、「ミックスをするのに最適なソフトウェア」を作り上げたんですね。楽曲の良さを損なわず、あらゆる状況に対応できるプラグインはまさにエンジニア御用達という感じがしますね!

しかし、音に対して貪欲な彼らだからこそ作り上げてしまった、衝撃的なおもしろエフェクトがあるとか...(次回の記事で登場するかも?)

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

記事で紹介した製品

CompressorBank Native

McDSP

CompressorBank Native v7

コンプレッサー
FilterBank Native

McDSP

FilterBank Native v7

イコライザー