ヒップホップ、フューチャーベース、トラップなど現代のポップスにも多く取り入れられるジャンルにおいて、ベースの音がカッコいいかどうかは非常に重要ですよね。
楽曲制作の中で、最も時間をかけて音色をデザインするのがベースだという方も少なくはないはずです。
特にシンセベースにおいては、音源の波形はもちろん、ピッチやボリューム変化のエンベロープ、LFO、フィルター、エフェクトまで、カッコ良くするために考えられる要素がたくさんあります。そのため、悩んでも悩んでも理想の音にたどり着けないなんてことも...。
そこで、今回は表現の幅が広がる最強シンセベース音源として、Future Audio Workshopの「Sublab XL」をご紹介します!
「表現の幅が広がるっていうことは、使い方も難しいのでは...?」
そんな疑問が浮かんだ方でも安心して使えるほど、Sublab XL は直感的で扱いやすいのです!
Sublab XLはシンセベースの音色作りに特化した音源です。808のようにローエンドまで豊満な低音が特長の一つですが、魅力はそれだけではありません。
僕が感じたSublab XLの魅力を大まかにまとめると以下の通りです。
①シンセとサンプル、さらにX-Sub™️の3つの音源をレイヤーできる!
②エフェクトがカッコ良く、細かい作り込みもできる!
③Sublab XLオリジナルの”マクロ機能”により複数のパラメータをまとめて操作できる!
このような点で、音作りが楽しくなり、創作意欲を刺激されるような工夫が感じられます。
ここからは、上記の3つの特長について、詳しく書いていきます!サンプル音源も聞いてみてくださいね!(低音を味わっていただくため、イヤホンやヘッドフォン推奨です... !)
Sublab XLはシンセとサンプル、さらにX-Sub™️の3つの音源を重ねることで、オリジナリティのあるサウンドメイクができます!
〜Synth〜
SynthではSublabにも搭載されているSine、Triangle、Saw、Squareに加え、新たにSuper Oscillatorを使用することができます。
Super Oscillatorでは、Waves ShapeでSine、Triangle、Saw、Squareのいずれかの波形を選んだあとに、以下の操作を加えることができます。
・Unison、Layout、Detuneでオクターブや7度上の音を重ねたり、ピッチのずれを発生させたりできる
・Widthでサイドの広がりを調節できる
・これらの効果を加えた音と原音との割合をMixで調節できる
今回はSuper OscillatorでSine波を選び、アレンジを加えてみました!まずはSine波のみでアレンジを加えていない音源をお聞きください。
続いて、アレンジ後をお聞きください。
〜Sample〜
Sampleでは、収録されているキックやベースのサンプルを選択できます。また、お気に入りのサンプルを読み込んでSublab XL内でアレンジすることもできてしまいます!
今回は、既に収録されているキックのサンプルを使用しました!アタックが痛すぎると感じたのでHighをカットし、Impactでキックのサステインを少し増やしてみました。
今回はベースにキックのアタックを加える目的で使用したため、キックは音階を追従しないように設定しました。Sampleもベースとして使用する場合は、鍵盤マークを押して音階を追従するように設定することができます!
〜X-Sub™️〜
X-Sub™️を加えることで、さらに深みのある低音成分を足すことができます。また、シンセやサンプルに対して違和感がなく、非常にナチュラルに低音が加わります。
まさにSublab、Sublab XLの醍醐味です!
Sublab XLでは、Distortion、Tape、Crusher、Compressor、Waveshaper、Noiseの中からエフェクトを選択して追加することができ、最大4つのエフェクト枠が用意されています。
ここで「エフェクトは外部プラグインでいいんじゃないの?」と感じる方もいるかもしれません。確かに僕も、いつも使い慣れているプラグインの方が思い通りにエフェクトをかけられると思っていました。
しかし、外部プラグインでベースにエフェクトをかける場合は音源の出音にエフェクトがかかるだけですが、Sublab XLはそれではもったいないのです!
なぜなら、SynthとSample、X-Sub™️をレイヤーできるSublab XLは、SynthとSampleそれぞれでエフェクトのセンド量も調節できるからです。
例えば、Synthで作ったベースのレイヤーは歪みを足して太い音にしたい反面、Sampleで作ったキックのアタック音はタイトで鋭い方がいい場合は、SynthにはたくさんエフェクトをかけてSampleには少しだけかけるといった使い分けもできます!
今回は、Distortion、Crusherと2種類のNoiseをかけてみました!
また、僕はシンセベースを歪ませるときに汚い音になってしまうことが多々あり苦戦してしまうのですが、Sublab XLは歪みやビットクラッシュのかかり方も音楽的で、激しくかけてもカッコいい音を保てるところが魅力的です!
Sublab XLで新しく追加されたマクロでは、エフェクトやシンセ、モジュレーションなどSublab XL内のあらゆるパラメータをA、Bふたつのパラメータにまとめることができます。
これにより、連動させたい複数のパラメータ、あるいは互いに逆の動きをさせたいパラメータをまとめてアサインすることで、オートメーションやMIDIコントロールがしやすくなります。
今回、僕はエフェクトのパラメータを自在に動かしたかったので、以下のような動きをするようにマクロを割り振ってみました。
マクロAを上げると...
・SynthのDistortionエフェクト量が上がる
・Crusherエフェクトの対象となる周波数帯域が高域に広がる
マクロBを上げると...
・White Noiseの量が全体的に上がる
・Tape Hiss Noiseの量が全体的に下がる
いかがでしたか?
今回は最強のシンセベース音源「Sublab XL」をご紹介しました。
特にSublab XLの魅力となるポイントをピックアップしましたが、エンベロープやLFO、フィルターも含めて非常に表現力の高いシンセベース音源だと感じました!
Sublab XLを使って、時間も忘れるくらい楽しくシンセベースの音作りに没頭してみてください!
最後までご覧いただき、ありがとうございました!