マスタリングからボーカルトラックの調整にまで使える、多用途マルチバンド・ダイナミクス・プロセッサー
MultiDynamics 7は、マスタリング、トラックプロセッシング、サウンドデザイン、ノイズリダクションに役立つパワフルなマルチバンド・ダイナミクス・プロセッサーです。MultiDynamicsは、バンドごとに独立したコンプレッションまたはエクスパンション/ゲーティングを最大6バンドまでコントロールできます。
マルチバンド・ダイナミクス処理は、イコライゼーションとシングルバンド・ダイナミクス処理の技術を組み合わせたものです。マルチバンド・ダイナミクスの簡単な応用としては、特定の周波数範囲に圧縮や拡張を適用することです。また、マルチバンド・ダイナミクスは、入力音のレベルに依存するイコライゼーションを適用すると考えることもできます。つまり、低音域にはEQカーブを設定し、高音域には別のEQカーブを設定することができます。
MultiDynamics 7の使用例
マルチバンド・ダイナミクス処理は、イコライザーやシングルバンド・ダイナミクス・プロセッサーよりも強力なものです。MultiDynamics 7の使用方法のほんの一部をご紹介します。
例1:特定の周波数帯域にコンプレッションやエクスパンションをかける
周波数依存のダイナミクス マルチバンドダイナミクスの簡単な応用例として、特定の周波数帯域にコンプレッションやエクスパンションを使う方法があります。例えば、低域(ベース、キックドラム)や高域(スネア、シンバル)に影響を与えずに、ボーカルをコンプレッションしたいとします。これは、ボーカル帯域をカバーするミッドレンジ帯域を作り、それをコンプレッションに設定することで簡単に実現できます。
例2:入力レベルに反応するEQとして使用する
マルチバンドダイナミクスは、入力音のレベルに依存するEQを提供するものだと考えることもできます。例えば、ハイハットの音をブライトにしたいが、ドラムがソフトに演奏されているときだけブライトにしたい場合があります。これは、入力がスレッショルド以下のときにゲインを上げる高周波数帯域を設定することで実現できます。これは、シェルビングEQを使用するよりも強力で、すべてのレベルでトーンバランスを均等に変化させることができます。
例3:ノイズ除去ツールとして使用する
MultiDynamics 7のもう一つのパワフルな使い方はノイズリダクションです。これは、スレッショルドが周囲のノイズレベルより少し上に設定された複数のゲーティングバンドを使用することで実現します。MultiDynamics 7はノイズ除去に優れており、FFTベースのノイズ除去にありがちなアーチファクトに悩まされることはありません。
例4:ダッキングさせる
MultiDynamics 7を使用すると、ナレーションの後ろに音楽をダッキングすることができます。マルチバンドプロセッサーを使えば、ダイアログのエネルギーがある周波数帯域だけ音楽をダッキングできるので、より透明感のある効果が得られます。
いかがでしょうか。このように、MultiDynamics 7は様々なシチュエーションに活かすことができます。
MultiDynamics 7の新機能
- ダークテーマを採用した新しいインターフェイス
- 広範なサイドチェイン機能をサポート。各ダイナミクスバンドは、入力信号または外部サイドチェイン入力から駆動できます。また、ワイドバンドまたはバンドフィルターされた信号を指定したり、別のサイドチェインEQでフィルターされた入力信号または外部信号を選択することもできます。従って、ある周波数帯域を別の周波数帯域からの信号に基づいてドライブすることができます。
- 新たにLearn機能を実装。バンド・スレッショルドを検出されたピークまたはRMSレベルに自動的に設定します。
- 出力処理にピーク・リミッターが追加されました。
- 入力メーターと入力ゲインコントロールが追加されました。
- ダイナミクスゲインと入力レベルの表示範囲をユーザーが選択可能
- ピークメーター、ピーク&RMSメーター、RMSメーター、Kシステムメーターのオプションを備えた新しいメーターセクション
- 多くのオプションを備えたリアルタイム・スペクトラム表示
サンプルムービー(英語)
Video: MultiDynamics 7 - Processing a Drum Kit
Video: MultiDynamics 7 - Noise Reduction
Video: MultiDynamics 7 - Ducking Music Behind Dialog
Production Expert: Wave Arts MultiDynamics 7 For Mix Glue And Movement
特徴
- 最大6バンドまで独立
- 独自のクロスオーバー・フィルター・ネットワークにより、バンド間の振幅歪みを排除
- 6 dB/oct、18 dB/oct、30 dB/octのクロスオーバー・スロープ
- バンドごとにフル機能のコンプレッサーまたはエキスパンダー/ゲート
- クリーンおよびビンテージ・コンプレッション・モード
- 外部サイドチェイン入力とサイドチェインEQフィルターに対応
- 調整可能なニーとルックアヘッド
- ルックヘッド・オフ時のゼロ・レイテンシー動作
- レイテンシー補正
- バンドごとのバイパス、ソロ、ミュート・コントロール
- 入力レベルとダイナミックEQレスポンスを包括的に視覚化
- バンドのスレッショルドを自動的に設定する学習機能
- リアルタイム・スペクトラム表示
- 出力ピークリミッター
- レベルメーターはピーク、ピーク&RMS、RMS、Kシステムに対応