4月30日は国際ジャズデー。ジャズの記念日があるのを初めて知るとともに、ふと僕は思いました。
ジャズを作りたい!
スウィングするビートにウォーキングベース、小洒落たコードを鳴らすピアノに表情豊かなブラスやサックス。
しかし、楽器は弾けないしDTMしかやったことがない僕でも、まるで生演奏をしているかのようなジャズを作り出すことはできるのでしょうか?
試しにDAW付属の音源を鳴らしてみました。
それなりに雰囲気は似せることができますが、やはり作りものっぽく聞こえてしまい、どの楽器も思い通りの音が出せませんでした。(パラメータの設定や使い方によっては本物さながらに聞かせることもできるかもしれませんが...)
そこで、今回は楽曲の全てのパートを「本物っぽい」と定評のあるソフトウェア音源で作ってみました!
まずは全パートを合わせた完成形をお聞きください!
楽曲中に聞こえる音のすべてが、ソフトウェア音源であり、MIDIによる打ち込みなのです!音源特有のパラメータや機能もありますので、僕がトラックを作った過程を前編と後編に分けてご紹介します!
今回使用したドラム音源は「BFD3」です!
BFD3は1つのソフトで自分好みのドラムキットを作ることができます。また、ドラムのレコーディングやミックスの工程もセットでできるので、ドラムに関する幅広い音作りが1つのソフトで完結します!
また、別売りの拡張音源もジャンルによってたくさん用意されているので、とことんドラムの音を作り込みたい方におすすめです!
何から始めたらいいかわからないという方は、充実したプリセットの中で好みのものを選んでから、イメージと違うパーツのみ選び直しても良さそうですね!
僕も最初はジャズのプリセットを選択しましたが、「シンバルはもう少しダークな音がいいな」「タムはもっと胴が軽く鳴るような音にしたい」といじるのが楽しくてどんどんオリジナルのドラムキットになっていきました!
各パーツの音量やLRのパン振りはプリセットで設定されているので、すぐにミックスされた状態で鳴らすことができます!
その他には、とにかく僕はジャズの生演奏を聞いているような楽曲を作りたかったのですが、スネアの音がとても近く感じたため、スネアに以下のミックス処理を施してみました!
・EQでボトムの部分と高域を削る
・Envelopeでアタックを弱める
・ルームリバーブを足す
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ベース音源はSPECTRASONICSの「Trilian」を使用しました!Trilianはパッケージこそアコースティックベースですが、エレキベースやシンセベースも、全てのベースを圧倒的なクオリティで奏でてしまう音源です!
まず、僕がTrilianに驚かされたのは音の太さです。鳴らした瞬間に安心感があります。
どんな音楽においてもベースが物足りないと感じてしまうと、聞くときのテンションが下がってしまいますよね。主張が激しすぎる場合はEQやダイナミクスの調整で削ることもできますが、逆にどんなに頑張っても細い音を増強するには限度があります。(ミックスをされる方も素材が命とよく耳にしますよね...)
今回の目的はジャズの生演奏を聞いているような楽曲を作ることなので、音が太くて前に出すぎているベースをEQで削りました。
次に、ウッドベースの大きな特徴とも言えるのが、手で弦を弾く音や擦る音ですよね。Trilianはそういった細かい所でもリアリティを追求することができ、「NOISES」でノイズの量を調節することができます。
また、ウッドベースの生演奏はシンセのようにピッチがジャストにならない所がまた味わい深いと感じたため、「HUMANIZE」のつまみでわざとランダムなピッチのずれを演出しています!(最大に設定するとハーモニーが崩壊してしまうのでご注意ください...!)
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ピアノ音源はMODARTTの「Pianoteq 8 Standard」を使用しました!Pianoteqは、サンプルを収録して作られた音源とは違い、ピアノの振る舞いをモデリングして再現するヴァーチャル音源です。また、ヴァーチャル音源であるが故に容量がとっても軽く、ステージ上での演奏だって安心して行うことができるのも大きな特徴です!
そんなPianoteqですが、ピアノとしてのリアリティは言うまでもなく、柔軟性に優れているのです!
DAW付属の音源を使用したとき、楽曲にいまいち合わない音だと思っても調整の余地が少なく、しっくりくるピアノトラックを諦めてしまうという経験はありませんか?
Pianoteqは弦のチューニング方法を変えたり、ピアノのボディの中身をいじって残響の具合を調節したりと、あらゆる角度からピアノの音色作りに没頭できます!今回は、丸みを帯びたような音にするため強く弾いていない時はハンマーの硬さをやわらかくするよう設定しました!
また、音源のアウトプット方法についても、ライン出力やマイクレコーディング、バイノーラルまで設定できてしまいます。今回は空間を通したような音にするため、アウトプット方法をマイクレコーディングに設定し、Pianoteqのエフェクト機能でEQの低域を少し削り、リバーブを少しかけています。そのため、プラグインを使用せず簡単なミックスまでできました...!
ここまで聞くと、機能が多くて不安になりそうですが、プリセットが充実しているため、プリセットを選択するだけで十分理想の音を奏でられるので誰でも簡単に使えます!
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前編はここまでです。後編ではサックスとトランペットの音源、おすすめの活用方法もご紹介していますので、ぜひご覧ください!後編はこちら