音作りやミックスダウンにおいて、重要な処理のひとつが「低域」です。
ミックスによってはカットする場合も多い周波数帯ですが、この「低域」を積極的に活用することで、新しいサウンドを生み出してくれるプラグインがWAVES「MaxxBass」です。
MaxxBassの仕組みはいたって簡単。オリジナルの素材の低域成分とMaxxBassが作り出す低域を混ぜ、迫力のある低域を作り出します。
MaxxBassの最大の特徴は「元のサウンドの音像を基本とした倍音を付加する」という仕組みです。EQで低域を増幅するのとは違い、EQだけではたどり着けない「おいしい低域」を作り出すことが可能です。
簡単にプラグインの画面を確認してみましょう。基本操作はいたってシンプルです。
まず、初めに赤と青で囲った2つのパラメーターを中心に操作していきましょう。
画面右側の赤い四角内のスライダー。この部分でプラグインをさしているオリジナルトラックの低域成分とMaxxBassを付加する低域の量を調整することができます。実際にMaxxBassのパラメーターを上げていくとこんな感じです。
今回はちょっと大げさに、オリジナルの低域と同じくらい低域を付加していますが、この黄色い部分がMaxxBassで付与した低域になります。
普段の作業ではここまで大げさに使用することは少なく、楽曲のバランスに応じて付加する具合を調整することが可能です。
では、MaxxBassが掛かっていない「Dry」のキックとMaxxBassを掛けた「Wet」。それぞれの音を聞いてみましょう。
いかがでしょうか?全く同じサンプルですがもはや別物のキックですね!
では、どのように調整していったか解説をしていきます。
次に青く囲った「Frequency」の部分ですが、これはオリジナルのサウンドの低域とMaxxBassで付与する低域の音域を調整します。
このように、Frequencyを移動させていくと下記画像のように付与される低域も変わってきます。
Frequencyを調整したら、「OriginalBass」と「MaxxBass」の混ぜ具合を模索していきます。
実際に音を聞きながら調整していっても問題ありませんが、MaxxBassには非常に便利な機能が付いています。
プラグイン画面右下の黄色い四角で囲った部分を見てみましょう。実はここで「オリジナルの低音」と「MaxxBassで付与された低音」だけを分離して聞くことができます。
この機能のおかげでオリジナルの低音とMaxxBassで付与された低音をしっかりと把握して調整していくことが可能です。
低域の成分は長時間処理をしていると耳が疲れてよくわからなくなってしまうことも多いので、こういった機能は本当に便利ですね。
低域の音作りの選択肢にぜひ、この「MaxxBass」を加えてみてはいかがでしょうか?