Radiatorは、1960年代に製造されたAltec 1567Aチューブ・ミキサーをベースにした、デュアル・ドライブのチューブ回路の入力チャンネルとEQモジュールです。
オリジナルのAltec
1567Aは、ラックマウント型の5チャンネル・チューブ・ミキサーで、トランスは取り外し可能になっており、シンプルな2つのノブで操作するEQ、個性的なグリーンのフロントパネル、97dBものゲインが特徴でした。現在のハードウェアと比較すると、ビンテージのハードウェアにつきもののノイズ、色付け、荒さはありますが、この1567Aは、初期のモータウンのヒットレコードでよく用いられ、全米各地の教会や学校のホールでPAのラックに収まっている姿も当時は良く見かけられました。
オリジナルのハードウェアから特有の暖かさとパンチをキャプチャーしたRadiatorなら、クラシックなAltecのチューブサウンドをデスクトップのレコーディングでも簡単に使うことができます。オリジナルのユニットから高域と低域のトーンコントロールをモデリング、簡単にパラレルのプロセスが可能なミックス・コントロール、オリジナルのハードウェアの入力と出力の増幅回路を元にしたサチュレーションとハーモニック・エフェクトを備え、これらの回路が相互に作用することで、数少ないシンプルなノブの操作でも、幅広いトーンの形成を可能にします。さらに、オリジナルのユニットが発するノイズのオン/オフ・スイッチも装備しているので、ビンテージ機器の「おいしい」ところだけを使うことさえ可能です。
Altecのミキサーが再び評価され始めたのはここ数年のことです。Maroon 5を手がけてきたプロデューサーMatt Wallaceは、1567Aを彼らの初期のヒット曲で使い、Altec
1567Aから作られたカスタム・コンソールを所有していたBlack
Keysの影響もあって、この個性的でカラフルなボックスは高値で取引されるようになりました。ほとんどをコンピューターで処理する現代のデジタル・レコーディングに、アナログのカラーとキャラクターを加えるための最適なツールとして認められてきたのです。
Radiatorの登場により、扱いに注意が必要なアナログ機器との接続に悩むことなく、ずっと安い価格で、Altecのチューブ・サウンドを全入力チャンネルに使うことも可能になりました。Radiatorには、1566Aの弟分、Altecの1566Aを元にしたよりシンプルなチューブ・プリアンプ、Little
Radiatorも付属しています。