ヴィンテージのリミッターを超えたサウンドを求めて――Soundtoysが開発した過激系ダイナミクス・プラグイン「Devil-Loc」に、追加機能を多数搭載した強化版が登場。
それが Devil-Loc Deluxe です。
Deluxe版では、オリジナルの過激さをそのままに、以下のようなコントロールを追加
これらの追加機能により、ドライで重厚なドラムから、飽和感あるローファイループまで、幅広い表現が可能に。
特にMixコントロールは、パラレル処理の手間を一掃し、オートメーションによる緻密な演出も容易にしてくれます。
このプラグインの着想源となったのは、1960年代にShureが開発したPA用リミッター「Level-Loc」。
もともとは公共放送システムのための堅牢なリミッターでしたが、その極端なコンプレッションと荒々しいサウンドが、やがて一部のエンジニアやプロデューサーの“秘密兵器”となりました。
ドラムやルームマイクに使えば爆発的な存在感を、ボーカルやアコースティックギターに少量かけるだけでもザラッとした質感をプラスできます。
オリジナルはシンプルで、「距離」に基づく3段階のスイッチしかありませんでした。後継モデルM62Vでようやく入力レベルの調整が可能に。
このLevel-Locを伝説へと押し上げたのが、Soundtoysユーザーであり世界的エンジニアの Tchad Blake。
「楽曲をいかに痛めつけ、歪ませ、いい意味で“壊す”か」という探求の中で、彼はLevel-Locの持つ独特な荒々しさと圧縮感に魅了されました。
その結果、巨大でワイルドなドラムサウンド、攻撃的なミックス感を生み出す“悪魔のような”使い方が定番化し、今では多くのクリエイターがこのサウンドを求めています。